■ トフティさんの復学を求める運動にご協力下さった皆さまへ ■

 東京大学大学院生、ウイグル人のトフティ・テュニアスさんが一時帰国中に中国新疆ウイグル自治区で拘束、逮捕されたのは1998年2月、「国家分裂煽動」などいわれなき罪によって懲役11年の重刑が科されたのが2000年2月。
 私たちは東京大学と協力して釈放と復学へ向けての努力を続けましたが、結果として早期釈放を実現できぬまま、彼は2009年2月に刑期終了で出獄。北京に移送されたあと付加刑の政治権利剥奪2年間を当局の厳しい監視下で過ごしましたが、それも2011年2月に終了しました。
 それに伴い私たちは2011年2月をもって署名運動を停止いたしました。
 署名簿は新しく製本し、トフティさんが再来日した時、多くの方々が彼を支援した証として手渡します。

 外交機関を通して復学を求めてきた東京大学、毎夏欠かさず監獄を訪れた元指導教官、国際ペンクラブ、日本ペンクラブ、アムネスティ・日本、再審請求のために働いて下さった弁護士、その他ご支援下さったすべての方々に、深く感謝申し上げます。








 目的は果たせませんでしたが、常に多数の目がトフティさんを見守り続けた事実は、彼の獄中での身の安全を確保しました。また、比較的検閲の緩やかな英文書籍が多数差し入れられたおかげで、彼は獄中でほぼ完璧に英語をマスターしたこともご報告します。

 政治権利剥奪期間が終わったとはいえ、当局から「あなたは自由である」という告知があったわけではなく、天安門事件に関わった人々や民主化を求める活動家がことあるごとに拘束されている事実を思えば、トフティさんも自由な身になったとは考えにくい現状です。東大は現在も彼の学籍を維持しており、本来ならすぐに再来日して復学の手続きを行えるはずですが、数年来、中国政府はウイグル人へのパスポート発給を停止しています。事はトフティ個人の問題ではなく、中国という国家の体制の問題に変わってしまいましたから、よほどの政治力が働かなければ当面彼の出国は困難です。彼の服役中に中国も世界も変わりました。13億の市場を前に、欧米諸国の首脳の口から人権問題が語られることはまれです。

 現在、彼はさる出版社の嘱託として雑誌英語版の編集を手伝い、最小限の生活を維持しながら論文の執筆を再開していますが、家宅捜査で多くの文献や資料が失われ研究環境は十分ではありません。失われた11年を取り戻そうとしているトフティさんのために、彼の必要とする書籍や情報を送ったり、執筆論文の発表の場をつくるなど、研究生活のバックアップが当面の課題であると考えて、今後とも東京大学、および関連する研究者諸氏と手を組んでいくつもりです。

 新しいWebソフトの操作不慣れのため、サイトでのご報告が大変遅れましたこと、お詫び申し上げます。


2011年3月31日 トフティさんの復学を求める会 代表:山口泰子 池上正治
〒164-0001渋谷区神宮前1-10-34-405 山口方